今回初のコラボレーションとなる山田千代美とbaobabのアルバム「songs of my land - うつろい」では、古代から歌い継がれてきた日本の歌に軽快なポップ・フォークのリズムやジャズっぽい雰囲気、ケルティックな音などが混じり合い、新たなジャンルが誕生する。
元はいつだれが歌い始めたとも知れない歌からは、幸福を祈り、自然を愛で、自然と共に生きた日本人の伝統の姿が見えて来る。そこにはどんな時代をも乗り越えてきた人々の強さとしなやかさがある。こんな時代だからこそ、日本の心をもう一度思い起こしてほしい。長年ヨーロッパで生活し、クラシックを歌ってきた山田千代美が自分のルーツを探りプロデュースしたこの作品には、そんな思いが込められている。
今回、独自のスタイルで伝統の音を現代に蘇らせるのはmaikaと松本未來を中心としたユニットbaobab。フィドルや和太鼓、笛など多彩な楽器を交えたアレンジは、キャッチーで洗練された響きを作り上げている。
レコーディングとミキシングを手掛けたのは、これまで多くのクロスオーバー音楽に関わってきたドイツのプロデューサーJonas Niederstadt。
大分の古民家で録音したこのアルバムは、まさに国境を越えたプロジェクトである。